メルマガ読者さまへ 秘密のお話 vol.6

空港での衝撃的な事件

今まで、50回以上、日本とフランスを行き来してきて、私が出くわした様々な事件。
その中でも、一番忘れられないのが、出入国検査で引っかかったときのことです。

結婚前に、シェンゲン協定上、「6ヵ月以内に90日」の滞在をしたら、次の渡航まで、最初の入国日から6ヵ月を経ないと再入国できないということを、すっかり忘れていて、出入国場で、検査官にとめられました。
(この話の顛末を語りだすと、長くなりすぎるので、割愛します)

結局、フランス政府側が、OKを出してくれたので、無事にフランスに入国できましたが、OKが出るまで、
特別な窓口で、しばらく待っていることになり、目の前で起こる様々な事件を見ることになりました。

それは、強制送還されそうになった人たちのドラマ。

まずは、禁止されているはずの肉や魚を、手荷物で、大量に持ち込もうとしているアラブ系の人たち。
(ダンボールやクーラーボックス10個以上というツワモノ!)
多分、最初は、「家族が食べるために、持っていこうとしているのに、なぜダメなんだ!」と、大喧嘩していたと思います。

ところが、どの家族のパターンを見ていても、最終的には、泣き落としにかかり、床に頭をこすりつけ懇願するのです。

アムステルダム空港
(写真はアムステルダム空港ですが、本文には一切関係ありません)

しかし、職員さんたちは、慣れまくっているようで、「どんなに頑張っても、ダメなものはダメだからね」と、何度も諭していて、
正直な所、「私には、この仕事は無理だな・・・」と、自分の身に置き換えて、考えてしまいました。

それを延々と2時間以上やっている家族がいるかと思えば・・・。

今度は、黒人女性が偽装パスポートを使って入国しようとしていたようで、職員たちに、詰問されています。

彼女は、「私は、これを高いお金で買ったのよ!これさえ買えば、フランスに行けるって聞いたんだから!」と、
これまた、何度も何度も、自分の身の不遇を呪い、情に訴えています。

もう、この女性の泣き叫びがすごくて、私は完全に同情してしまいましたが、職員さんが私に、「演技だから、気にしないで」と、声をかけてきました。

この2時間、他にも、黒人女性が強制送還のために、暴れて警察が現れるというすごいシーンも見ましたが、
私はこの体験を通して、「これから行くまだ見ぬ国に、わくわくしている旅行者たち」の陰で起こっている世界があるのだな~と、しみじみ感じたものです。

まるで、テレビの画面を通してみているような世界でしたが、空港職員さんたちの一言が、とても印象的でした。

「日本人なのね。まぁ、日本人がトラブルを起こすことはないから、心配しないで待ってなさい」と。

そう、私は、日本人に生まれてよかったなと、思った瞬間でもありました。

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