夏に訪れる村 Salers

Salers(サレール)


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こちらのSalers(サレール)。
実は、私やっとの思いで、辿りつけた村でもあります。
なぜなら、我が家から、こちらのSalersに行くためには、雪解けを待たないといけないのです。
それほど、険しい山道を抜けて行かなくてはいけない村。それが、Salers(サレール)です。(こちらは、2013年4月なかばの写真です)

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この雪にはばまれて、途中から通行止め。
もう、信じられないほど、細い崖の道で、Uターンしなくてはいけなくなり、この時も冷や冷やした想い出があります。

ですので、やっとの思いで、この夏、Salersに辿りついた時は、とても感慨深いものがありました。

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Salersは、オーヴェルニュ地方、カンタル県の「最も美しい村の一つ」です。
カンタルと言えば、「カンタルチーズ」と、もう一つ忘れていけないのは、ご存知、パラプリュイ=傘!!
えぇ、きっと、ほとんどの方は、ご存知ないでしょう・・・(笑)

このショーウインドウを見た瞬間、17歳の頃、クラシックの作曲家の先生のお宅に下宿していた時、初めて見た「シェルブールの雨傘」を思い出しました。

私は、今でもあのイントロを聞くだけで、涙が流せるという特技を持っています(笑)
まぁ、本当に有名な映画ですので、皆さんご存知でしょうが、ストーリーが、泣かせるんですよね・・・。(ここで、語ると長くなりそうなので、やめておきますが)

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そして、「そういえば、私、1本も傘を持ってない!」と、突然気づき、せっかくなので、買おうと思ったところ、突然、夫にプレゼントしてもらえることになり、ラッキー♪

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これで、雨の日も、ちょっとお出かけするのが、楽しくなります。
次に、歩いていると、こんな可愛い子供のおもちゃのお店を発見!

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こんな石造りのお店の中にあると、なんだか異世界に迷い込んだ気分になります。
とにかく、観光地らしく、たくさんのお店がありました。

 

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で、いざ、お買い物をして、会計をしようと、いつものように、カードを出したら、「ごめんね~。カードは使えないんだよ。小切手はない?」と、言われました。
今日は、全然買い物する気がなかったので、小切手を持ち歩いておらず、仕方ないので、少し待っててもらい、こちらへ急ぎました。(笑)

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はい、郵便局のATMです(笑)
ここで、無事にお金をおろし、事なきを得ましたが、あまりに現金を使わないことに慣れてしまい、時々びっくりするほど、お金を持っていないんですよね(爆)

それにしても、Salersは、とても大きな村なのに、人口は350人前後という不思議な村。
まぁ、冬の間は、この村の観光には、なかなか来れないわけですから、本当に、「夏限定の村」というイメージがあります。

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夏の訪れを感じる気候だけあって、空の色も美しい・・・。
一瞬、閑散としているように、見えますが、実はお昼前だったためです。ランチの始まりとともに、あっという間に、レストランのテーブルは、埋まっていきました。

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さて、ここで、ちょっとした問題を出してみましょう♪
これは、あるお宅の外壁を撮影していますが、この突起、何だと思いますか?
答えは、一番最後にでも・・・。

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それにしても、この石壁。派手な花が映えるので、とても不思議ですよね。

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やはり、村の中を歩いていると、チーズのお店を発見!

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カンタルチーズは、このSalers(サレール)の特産品でもあります。
facebookにも、詳しく書きましたが、このカンタルチーズの歴史は、紀元前まで遡ると言われています。いかに、シンプルに作られているかということですね。

基本は、以下の3種類。
熟成期間によって、名前が変わります。
Cantal jeune : 熟成が2か月以下の非常にナチュラルで食べやすい味。
Cantal entre-deux : Cantal doréなど、いろいろな呼ばれ方がありますが、熟成2か月-6か月のものを指します。表皮が厚くなる前のもので、私はこの熟成具合が、一番好きです。少し塩味がきつくなります。
Cantal vieux : 熟成が6か月を越えるもの。表皮がものすごく厚くなっていて、味もかなり濃いので、チーズ初心者だと、苦手かもしれません。(私には、全く問題がないですが・・・)

肝心のわかりやすいチーズの写真がないので、今度自宅用に買ったら、撮影してみますね!

さて、話をがらっと変えますが、こちらのSalers(サレール)だけではなく、カンタル県の屋根は、黒っぽいです。
それは、こちらの「Lauze」という石を使っているからなのです。
(もちろん、カンタル県以外でも、使っている県はありますよ)salers遠目で見ると、こんな感じです。salers

しかし、もう一タイプ、見ることが出来ます。
それは、もっと真っ黒な「Ardoise」という石。
多分、こちらは、日本でいうところの「スレート」と同じなのかな?

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こちらは、現在でも、お店で買うことができますが、「Lauze」は、手に入れるのがかなり困難なようで、これから、家を建てたり、改修をするとしたら、徐々に、「Ardoise」に変わっていくのでしょうね。

以前にも、どなたかから、ご質問を受けましたが、フランスは、コミューンごとに、様々な建築条件があったりします。
ですので、わが村に、この「Lauze」や、「Ardoise」を使うことは出来ないというわけです。

ある意味、好きなように、家を変えられないわけで、それを、「不自由」と思うか、「村の景観を保つことのほうが大切」と思うか、人によって様々だと思います。

私は、個人的に、この「景観」を守るからこそ、美しい村が現存していると思っていますので、無理に自分の好き勝手に、家を変えたいとは、思わないんですよね。

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さて、みなさま。
先ほどの問題の答え、わかりましたか~??

えぇ、えぇ、みなさん。実は、私。
「問題文」に、ひっかけを入れておりました(*^_^*)どんな問題文だったか、覚えていますか?
「これは、あるお宅の外壁を撮影していますが、この突起、何だと思いますか?」
さて、何が、「ひっかけ」だったんでしょうか?
そう、確かに、左奥に照明が見え、外壁の写真なんです。

でもですね。
もしも、この壁の部分が、「もともとは、外壁じゃなくて、家の中の壁だったら?」と、考えてみましょう。

そう、実は、この壁、もともと家の中の壁だったらしく、真ん中の部分を壊して、家を2つに分けてしまったんですね~♪

ということで、よくよく壁の形を見てみると、壁が上の方までへこんでいます。
両横は、どこかで見た形。。。
そう、「マントルピース!」。
ってことで、正解は、「暖炉の跡」でした!(爆)

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まだまだ、お話したいことが、たくさんあるのですが、後は、みなさんの目で、楽しんでいただくことにします。

Salers 情報

Salers HP

<見学予想時間>
約半日。買い物するところも多く、村の中も案外広いので、歩きやすい恰好で行くことをおすすめします。

<アクセス方法>
*電車の場合*

オフィス ドゥ ツーリズムにて確認中。

*車の場合*
Clermont Ferrand(クレルモン・フェラン)からの場合(パリからも同じ)
高速道路A75を南下し、23番出口を出て、N122を走る。その後、D3、D680を経て、Salersへ到着。

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