Je suis qui ? (私について)

みなさま、こんにちは。

現在、フランス、オーヴェルニュの小さな村に住んで3年目になる木蓮です。

私が、なぜ、「パリ」ではなく、「フランスの小さな村」を紹介することになったか、一つの物語があります。

私は、もともと神戸出身で、常に都会のビルの中で働いていました。責任のある立場でもあり、もちろん、毎日充実してはいたのですが、休みもままならない生活に、疲れを感じ始めていた時でした。

父が胃癌にかかっていることが、発覚したのです。父は、ちょうど定年退職をして2年目。大好きだった絵を描きたいと、絵画教室に通っていたのです。

その1年前に、ちょうどフランス旅行に行った私は、パリの写真や南仏の写真を、たくさん父に見せました。すると、「南仏の小さな村のほうが、絵を描きたい気持ちになるね」と言っていたのです。

そこで、その頃付き合っていた、フランス人の彼に、美しいオーヴェルニュの風景を、たくさん写真に撮って送ってもらいました。

 

菜の花とうつるオーヴェルニュの景色

 (この写真は、私が撮影したものです)

父は、亡くなる寸前まで、その美しい景色に魅了され、「一度でいいから、行ってみたかったなぁ・・・」と、よくつぶやいていました。

そして、父を静かに、見送った後、私は結婚して、フランスに住むこととなりました。

もともと、インテリアが大好きだった私。週末の度、ブロカント巡りをするのが趣味で、アンティークショップさんに頼まれ、買い付けをしたり、大好きなカフェオレボウルを探してみたり・・・・・。そんな毎日を過ごしていました。

ところが、ふと、顔を上にあげた時、周りの景色の美しさに、感動したのです!

「私は、なぜ、この美しい景色に、今まで気が付かなかったのだろう・・・。」

 

そこから、私は、もともと好きだったカメラとともに、各地の風景を撮影し始めました。そして、今まで「冷たい」とさえ思っていたパリに住むフランス人とは違い、田舎特有の温かいもてなしを、うけることになりました。

そこで、私のつたないフランス語を、一生懸命聞いて、会話してくれる若者や、おばあちゃんに出逢い、ますます「小さな村」が好きになる私。

-この美しい景色こそ、本当のフランスの姿なんだ! なんとかして、私が日本のみなさんに伝えたい!-

そう思うようになっていきました。

私の住んでいるオーヴェルニュが中心になりますが、夏には1か月近く、アキテーヌ地方に滞在し、1年に1回、南仏旅行に出かけます。そして、オーヴェルニュは、フランスのほぼ中心にあり、いろんな地方に、旅するには、最適な場所です。

そして、もう一つ、大切なことを伝えたい。

それは、「あなたにとって、本当に大切なものは、一体なんなのか?」

私は、20代に入って間もない頃、忘れもしない「阪神淡路大震災」に遭いました。その頃は、まだ、今ほど精神力がタフではなかったので、リビングの扉を開けた時、全てが崩壊していたこに、呆然としました。

あんなに大好きで、一つずつ集めていた、ロイヤルコペンハーゲンのセット、友人たちに、お祝いに貰ったバカラのグラスなど、全てが一瞬で、粉々になり、「私は一体、何をしていたんだろう?」と、箒でゴミを集める毎日でした。

一度すべてを失ったので、その後、「暮らし」について、本当に考えさせられるようになりました。

-本当の豊かな暮らしとは、何だろう?-

庭で採れたかぼちゃ

 

 

今は、フランスの田舎に住む、みなさんと同じように、夫と二人、畑で野菜を育て、その大地の恵みの恩恵にあずかっています。

 

毎年たくさん採れるトマト

 

毎年、採れすぎて困るトマトは、そのままトマトソースとなり、1年間我が家の食卓を楽しませてくれます。買おうと思えば、もちろん買えるもの。ですが、これ以上の贅沢はありません。

今では、私に、二人の可愛くも、生意気な義理の娘たちと、1匹のワンコをプレゼントしてくれた夫に、感謝する日々です。

そんな私ですが、ブログを書いていると、たくさんの読者さんから、「将来、フランスの可愛い村に遊びに来たい!」という声を、たくさん、いただくようになりました。

「フランス語が話せないから、可愛いシャンブルドットの予約もできない!」「アンティークを仕入れたいけれど、どうやって交渉したらいいかわからない!」という、みなさんの声にお応えできるよう、今、一生懸命頑張っているところです。

このHPでは、みなさんが「フランスの小さな村」を旅行したくなったとき、そのヒントとなるであろう情報を、少しずつ書いていこうと思っています。ですので、少しずつ読んでいただけると嬉しいです。

 

私が、「小さな村に惹かれた理由」。みなさまに、伝わったでしょうか?

このHPを、すべての読者のみなさま、日本にいる私の家族、そして、天国で見守ってくれているであろう父に捧げたいと思います。

6.22 木蓮